ヘッドホンでも鳴るアップライトピアノ!? YAMAHAのハイブリッドピアノ

ピアノがある家庭は素敵ですよね。でも、毎日練習するとなると、音量が気になります。
マンションやアパートなんかでは、禁止されているところもあるくらいですね。

先日、オールヤマハフェアへ行ってきたのですが、
そこで見た新製品の「トランスアコースティックピアノ」は、それを解決する斬新で現代的なピアノでした。

電子音が鳴るアコースティックピアノ、「ハイブリッドピアノ」

そもそもピアノの音が鳴る仕組みというのは、

1 鍵盤を押す
2 鍵盤の先についているハンマーが、弦を叩く
3 叩かれた弦が振動して音が鳴る
4 弦の先についている駒を伝って音(振動)が響板に伝わる
5 響板が空気を振動させ、ピアノ全体が共振

というように、ハンマーが弦を叩いて音を発生させ、響板がそれを増幅させています。

一方電子ピアノは、鍵盤はハンマーアクションを模した構造になっていますが、本質的にはスイッチの役割を果たし、電子回路が音を生成しています。

この、「ハンマーアクションを模した」ものではなく、ハンマーアクションそのままを採用し、センサーでハンマーの動きを感知して電子音を生成したのが、

ハイブリッドピアノ

です。

つまり、
生ピアノそのままのタッチで弾くことができ、音は電子音なのでヘッドホンで聞くことが可能
というわけです。

生ピアノを長く弾き込むと、ハンマーが弦を叩くというアクションは、僅かな手応えとして感じることができます。

この僅かな手応えを損なうことなくピアノを弾き続けるためには、従来ならば生ピアノの音量に対する周りの理解が必要でした。

しかし、ハイブリッドピアノは電子音なので、周りを気にする必要がありません。
非接触型のセンサーなので、タッチには全く影響を与えることなく、生ピアノの練習ができるのです。

生音と電子音のモード切り替えができる、トランスアコースティックピアノ

トランスアコースティックピアノは、響板を電子音にも利用し、自由な音量でのピアノ演奏ができるようになったハイブリッドピアノです。
ピアノ以外の楽器音での演奏も可能です。

弱音器で本来の生ピアノ(アコースティックピアノ)トランスアコースティックモードを切り替えることができ、生音と電子音、どちらも出すことができるという画期的なピアノです。

繰り返しますが、生ピアノは、弦の振動が駒を介して響板に伝わり、音が響いています。

1 鍵盤を押す
2 鍵盤の先についているハンマーが、弦を叩く
3 叩かれた弦が振動して音が鳴る
4 弦の先についている駒を伝って音(振動)が響板に伝わる
5 響板が空気を振動させ、ピアノ全体が共振

トランスアコースティックモードでは、電子音の情報を振動に変換し、響板に伝えます。

1 鍵盤を押す
2 MIDI信号を電子音に合成
3 トランスデューサー(加振器)が電子音の情報を振動に変換
4 振動が響板に伝わる
5 響板が空気を振動させ、ピアノ全体が共振

もちろん、消音してヘッドホンでの演奏も可能ですが、
電子音が響板に伝わるというのが最大の特徴です。
外に出ている音の音量をそのままコントロールできるし、ピアノ以外の音色(エレクトリックピアノやオルガン、ストリングス等)を響板の力で響かせることができます。

また、データを取り出したり、専用アプリをダウンロードしたタブレット端末で楽譜を表示しながら自動演奏させたりと、
データを活用した使い方もたくさんあります。

電子音を響板に伝えることができるので、タブレット端末やオーディオデバイスを接続すると、ピアノ本体をスピーカーとして扱うことができます。

それでいて、モードを切り替えればアップライトピアノの本来の音もそのまま楽しむことができ、
電子音に抵抗のある人でも充分満足できる、今までにないピアノです。

当然価格的には通常のアップライトピアノより高くなりますが、環境によっては迷う余地なしの方もいると思います。防音室を買う必要がないですからね。

現代的な部分をうまく取り入れたトランスアコースティックピアノ
今後はどんな発展をしていくのか楽しみです。