昔ある喫茶店、おしゃれなカフェ、話題のご飯屋さんなど、昼間に外食をする場合、その場で電話をするのはOKでしょうか?
それとも席を外した方が良いのでしょうか。
意外と人によって考え方が違い、いろんな意見があります。
中には電話をしていて怒られたり、店員から注意されたりした人もいるようです。
でも、一般的に会話はOKなカフェで電話をすることが、「マナー違反」と言えるのでしょうか?
それぞれの立場で理由を考えてみました。
カフェでの電話は全面マナー違反 の理由
とにかくどんな場合であれ、カフェで電話をするなどありえない、という意見です。
カフェは電話をする場所ではない
カフェはコーヒーを飲んだり本を読んだり、自分の時間をゆっくりと過ごす場所。
電話をする場所ではないという考え方です。
昔ながらの喫茶店なんかは、静かにコーヒーやケーキの味を楽しみ、1人の時間を楽しむ場所であるかもしれません。
そのイメージが強く、カフェであればとにかく電話はマナー違反だという意見が、年配の方に多い気がします。
1人で喋っていることの違和感
会話ならともかく、1人で喋っていることがなんだか気に触るという意見です。
別に聞こうと思って聞いてるわけではないけど、内容が嫌でも耳に入ってきます。
そして、内容が半分しか聞こえていないので違和感を感じるのです。
その違和感が不快である、イコールマナー違反だという意見です。
場合による という意見
小声なら喋っても良い
電話は知らず知らずのうちに声が大きくなってしまうことがあります。
しかしそれに気をつけて周りに聞こえにくいよう小声で喋るなら、マナー違反ではないという意見です。
店側が禁止していないならOK
お店によっては、電話を禁止しているところがあります。
当然、お店がダメだと言えば、マナーは関係なく電話はNGですが、そうでない場合はかまわないという意見です。
もちろん大声で話すなど明らかに迷惑になるような話し方をする場合を除きます。
店の雰囲気による
店側が禁止していなくても、店の雰囲気が静かで落ち着いているところだと、客層もそれを求めた人達になります。
そういうところでは電話は目立ってしまうので、やめた方がいいでしょうという意見です。
カフェでの電話はマナー違反ではないという意見
会話と同じレベルで電話をするだけなら、マナー違反ではないという意見です。
もちろん、店側が禁止している場合はNGですが、会話が良いなら、同じ話し声である電話も良いはず、という考え方です。
マナー「違反」であることの意味
カフェで電話をすること自体が何が何でもマナー違反だ!という人は、他人の電話の話し声を不快だと思っているのです。
しかし、世の中そんな人たちばかりではありません。カフェでの電話の声など全く気にしないという人もたくさんいます。
むしろ、移動中や外で電話がしにくいから、カフェのような屋内かつ話しやすい場所で話したいという人もいるでしょう。
結局マナー違反かどうかというのは個人の受け取り方ではなく、多くの人がそう思うかどうかで決まります。
(文化的なマナーは別として)
個人によって何が快であり不快であるかは変わります。
しかしマナーは個人的なものではありません。
そもそも相手を気遣うための行儀作法がマナーであり、そこから派生してそれを暗黙的に社会的にルール化したものを現代ではマナーと呼んでいるようです。
個人の常識は、それだけではマナーとは呼べません。
ましてや
「相手が不快だと感じたらマナー違反である」というのも言い過ぎではないでしょうか。
「違反」という言葉を使う以上は、それがルール化されているということです。
相手を気遣うことがマナーの原点とはいえ、ルール化して「違反」という言葉で非難するものになってしまった以上は、個人的な感情でのやりとりの範囲で使っていい言葉ではないはずです。
以上のことから、カフェでの電話がマナー違反なのかどうかは、電話が耳触りだという人と、気にしない・カフェで電話をしたいという人、どちらが多いかで決まるのではないかと私は思います。
電話が耳触りだという人が少数なのであれば、「マナー」を理由にその人たちに気を使わなければならないことはありません。
携帯電話がなかった頃は、カフェで電話はありえないことでした。
しかし現代ではどこでも人と喋れるようになり、外での電話は当たり前の時代です。
全国の人にアンケートをとったわけではありませんが、現代、カフェでの電話が耳触りだという人は、カフェを利用する人の半数もいないのではないでしょうか。
「マナー違反だと思うか?と聞かれればそうかもしれない」と思う人を合わせれば半分くらいいるかもしれません。
しかし、「マナー違反かもしれないけど自分は気にしない」という意見の人は多いのではないでしょうか。
気にしない人が多ければ、それは「マナー違反」ではありません。
マナーかどうかはともかくとして、気を使うのは良いこと
電話が耳触りだと思う人が世の多数でない限り、電話をしている人に対してマナー違反だという理由で頭ごなしに「電話をするな」というのは筋が違います。
しかし、電話の声がうるさいと感じる人が少なからずいることも事実です。
電話がマナー違反でなくても、うるさいと感じる人がいることがわかっている、もしくはうるさいと思われそうな場合は、電話を控えると他の人への気遣いになります。
逆に、電話はNGだという人も、電話はOKという人に対してカフェで電話をすることを認める努力も必要です。
人を不快にさせないための努力は双方必要です。
そこにマナーという大義名分はなくてもいいのではないでしょうか。